早期胃癌の治療
~腹腔鏡下幽門側胃切除術について~
当院では内視鏡、レントゲン透視に加え超音波内視鏡検査を行い正確な深達度の診断に努めています。
外科 角谷直孝(副院長・外科部長)
胃癌の死亡率は減少傾向にあるものの罹患率はいまだ高く特に富山県東部では胃癌の罹患率が高いといわれています。当院では検診の内視鏡で胃癌と診断された患者様に対し内視鏡、レントゲン透視に加え超音波内視鏡検査を行い正確な深達度の診断に努めています。
胃癌ガイドラインに準じて分化型の癌で2センチ以下、深達度が粘膜までのものに対してはESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を消化器内科グループで行っています。
ESDの適応からは外れるステージⅠA症例やステージⅠB症例に対しては腹腔鏡補助下の手術を行っています。当科では腹腔鏡を用いた胃癌手術では幽門側胃切除術(LADG)を行っています。ステージⅡ以上の進行癌に対しては開腹による根治手術を行っています。
手術はおなかに5か所の穴をあけて行います。腹腔内を腹腔鏡で観察しながら4か所の穴から手術操作を行います。おへその上に4センチの創をあけ吻合と標本の摘出を行います。
通常の開腹手術ではみぞおちからおへそまでの大きな創となりますが腹腔鏡手術ではおへその上に4センチの傷痕が残るだけとなります。